おやまぼくちのページ

2011-01-29  おやまぼくちとは..

  • これがオヤマボクチです。

  • 葉の裏です。

上の写真がオヤマボクチという山草植物です。キク科の多年草で、アザミに似た花が咲きます。登山道の脇などでよく見かけます。全国的に分布しているそうですが、西日本では葉の切れ込みが著しい「ヤマボクチ」という種類だそうです。 蕎麦の繋ぎには、葉の裏にある綿毛を抽出して使います。長野県飯山地方ではずいぶん昔から、この繋ぎを利用して蕎麦を打っているそうです。


2011-01-29  綿毛の抽出方法..

乾燥したオヤマボクチの葉。

左の写真が乾燥させたオヤマボクチの葉です。綿毛を抽出するにはここからが大変な作業が待っています。


1)揉んだり叩いたりして柔らかくなるまで、これを繰り返します。

2)ふるいに掛ける。おびただしい粉末が出ますのでこれを除去します。決して部屋の中ではやらないほうがよいでしょう..粉塵で..(笑い)

3)綿毛らしくなるまで 1)2)を繰り返します。

以上の工程は艾の製法と同じである。(石臼で挽く→長唐箕→唐箕)なんのこっちゃぁ?



2011-01-29  綿毛になったら..

抽出した綿毛

綿毛らしくなってきたら、このままでは灰汁があり使えません。鍋に重曹をいれて一時間ほど煮ます。 目の細かいザルにあけ、よく水洗いします。 これを天日で乾燥します。

1)乾燥した綿毛をフードプロセッサー或いはミキサーに掛ける。分量はできるだけ少量で..

2)更に粉末が出ますので、ふるいに掛けてこれを除去します。

3)綿毛の純度を高めるため 1)2)を繰り返します。

4)これで、ほぼ完成です。

おやまぼくち蕎麦のページ

ここではオヤマボクチ蕎麦について説明します。
蕎麦の繋ぎに"雄山火口(おやまぼくち)"と言う山草の綿毛を使います。右の画像は、その乾燥葉です。
この綿毛を"茸毛(じょうもう)"と言います。昔は火打石から火種(火口=ほくち)を取るのに使われたそうです。この茸毛を繋ぎに蕎麦を打つと、比較的簡単(注1)に十割蕎麦を打つことが可能です。
(注1)基本的に、二八蕎麦が打てる技術を習得しているのが条件かも知れません。

左の画像をクリックすると拡大画像が見られます。

右は、茸毛のマクロ画像です。
左は、顕微鏡撮影したものです。
この写真で解るように目では分からない細い綿毛が蕎麦粉に絡み合い繋がるのです。
右は500gの蕎麦粉と茸毛2.5gで打った蕎麦生地です。蕎麦粉に含む蛋白質と澱粉質の割合によって違いがあるようで一概に言えませんが、大きさ1200mmx600mm位迄伸ばせます。
しかも薄く薄く(0.3mm~0.4mmマイクロメータ測定(^^;)伸すことができ、細くて長~い十割蕎麦が出来あがります。左の画像は、薄さを見て貰う為に、明るい所で透かしてみました。

本来、十割蕎麦(生粉打ち)とは、繋ぎを使わず水(湯)と、そば粉(100%)で打ち 上げる蕎麦ですが、「おやまぼくち十割蕎麦」は、蕎麦粉に対して、0.5% の 茸毛(綿毛)を繋ぎに使いますので許容範囲の問題と考え、十割蕎麦と呼ばせて頂いてます。

この、「おやまぼくち蕎麦」の特徴は...

なんと言っても、腰の強さにあります。同じ蕎麦粉で生粉打ちした蕎麦と比べても、腰の強さは格段の差があります。必ずしも蕎麦に腰が強いだけが優れているとは思いませんが、奥歯でしっかりと噛みごたえのある蕎麦になることを表現したいのです。

また、「二八蕎麦」などに使用すれば、楽に打て蕎麦打ちが楽しくなり、今までに無い更に腰の強い蕎麦が味わえます。

「おやまぼくち蕎麦」の物理的試験データをUPしました。

さて、次に実際に「おやまぼくち蕎麦」を打ってみましょう。