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10 Jun 1999


秋田県北秋田郡森吉山麓の懐深くにある、昔(25年前)はたしか「湯の沢温泉」といった
ひなびた温泉がある。今は「杣(そま)温泉」と名が変わった。当時東京へ出ていた倅さん
(杣 正則さん)がその後帰省してあとを継いだ時から「杣(そま)温泉」としたそうだ。

杣温泉旅館
秋田県北秋田郡森吉町森吉字湯ノ岱川向湯の沢7
TEL:0186-76-2311


このあたりは湯ノ岱と言う部落で、昔はマタギが多くいらっしたそうだ。
阿仁前田から荒れた林道を車で一時間くらいかかった記憶があるが
今はなんと幅員も広く立派な舗装道路に変わっている。
それもそのはず、上流には太平湖というダムが昔からあったが、


その下流(小又川)にまたダムの建設中が始まっている。
なぜそれほど日本中の山の中にダムが必要なのか理解できない筆者であるが
大自然の中にダムを作るということは、自然生態系が変わり
食物連鎖が成り立たなくなり、動植物へ絶滅の危機を危惧するのは私だけではあるまい。
人的な迷惑もあったと思う、25年前に民宿をなさっていた"大川清左衛門"さん
ご一家もダム建設のための犠牲者であったと思う。ご一家は里に下りたそうだ。



建設省や環境庁がなにを考えているかまったく理解できない。
小又川に沿った街道を「クマゲラ街道」と言って比内町を経て大館方面へ通ずる
街道(林道)があるが、これもやがては名ばかりの道路になり"クマゲラ"が
いつまで生息できる環境でいられるのだろうか?




25年前に民宿をなさっていた"大川清左衛門"さん宅もこの湯ノ岱の部落にあったが
跡地を探してみたが僅かにバスの折り返し地点と旧道時代の橋の跡のみが判ったが
あとは、すっかり変貌していた。清左衛門さんは既に他界されたそうだが、
ご自分はマタギだったと昔ご本人から聞いたことがある。熊の毛皮が何枚もあり、
夏の昼下がりその毛皮の上で裸になって昼寝をさせてもらった思い出がある。
なんとも気持ちの良いものであった。
思い出と言えば、あの時太平湖上流の小又峡をボートで帰り道、鳥が溺れて
いるのを発見しボートに救い上げ、清左衛門さん宅に回復を託したが
あれが、大鷲の雛だったと聞かせれたときには吃驚したものだった。
そのご、あの雛は元気に回復して山に戻ったのだろうか?

杣温泉の露天風呂の湯も弱塩性で湯量も多く、爽やかな風が吹きぬけ
日ごろの疲れを癒すには格好のロケーションでもある。
この夜同宿した、同じ埼玉から釣りにやって来られた
人たちと宴たけなわ..となっていった。
床に就くと下に流れる沢音のみが快く聞こえ
気のせいか遠くにクマゲラが叩く木音がこだました。


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